大いなる刺激。いただきました
h/c. kawabata (ヒロカワバタ/チホカワバタ)
先日、と言っても昨年の年末の話ですが、大阪梅田の某百貨店で開催された名和晃平さんの展覧会を拝見して来ました。
時期としては丁度、自分達の作品展の直前でしたので行くのはとても無理だと思っていたのですが、どうしても見ておきたかった展覧会でしたので、なんとか3時間ほど時間を作り、駆け足で見て来ました。
名和晃平さんと言えば、大変人気の現代アートの作家さんで、その百貨店の大掛かりな改装後のグランドオープンのこけら落としに選ばれるほど、今もっとも注目されている作家さんの一人だと思います。
さらに言うと、近年、日本を代表する現代アートの作家さんと言えば、ジャパニーズポップカルチャーを色濃く反映した少し幼いイメージのアーティストが多い中、久しぶりに現れた ”大人”な作品を発表している、個人的にも大変好みの作家さんでもあります。
スポーツの世界などもそうだと思うのですが、その世界にヒーローがいると、その業界が盛り上がりますよね、名和さんみたいな方がいるとアートがより身近になると思います。
さて、その展覧会の会場は、シンプルに彫刻を設置しているスペースと、海外に設置する巨大彫刻プロジェクトのプロセスを記録した映像を投影する空間の二つで構成されていました。
最初の彫刻のスペースでは、最も有名なエゾ鹿の剥製をガラスビーズで包み込んだBEADSを中心に、(上の写真、本の表紙を飾る作品です)その他の作品をシンプルに展示。作品の題名表示も無く、見る方々の感性にまかせているのですが、作品に力があるので、それで十分でした。
ただ、一昨年の東京の美術館での作品展に比べ(これに行けなかったのですが…)会場のスペースに限りがあったため、出展数が想像より少なかったのが残念でした。
が…、やはり、本などの印刷物とは違い、照明なども含め空間を直接体感することが出来たので、すごく刺激になりました。
そのBEADSを近くで見ると、大小のガラスを通して見える鹿の毛並みがなんとも言えない質感を見る人に伝えます。(有機的であり、無機質でもあり…)
で…、早速(チホカワバタのカジュアルラインで)、そのBEADSシリーズをイメージソースにした物をデザインしてみようと考えました。
この水滴の集合体に合う質感の物を…。
と、色々な物をテストしてみた中でたどり着いた素材。それがアコヤ貝のシェルプレートでした。それをピアストップにします。
アコヤ貝の表面に樹脂を水滴のようにランダムに敷き詰めています。
貝の表面に付いた一つ一つの球体に螺鈿(ラデン)色に輝くパールのしずくが写り込みます。こうする事で宝石のパベのイメージを簡易的な方法で表現してみました。
今、アクセサリー、ジュリーデザインはゴールドなどの素材中心の大変コンパクトなデザインと、カジュアルでレザーやプラスティックなど従来の素材使いにしばられない、自由な遊び心のあるデザインの2極化がよりはっきりしていると思います。
そう言った意味でも、この春夏のカジュアルラインでは今までの素材の常識に捕われない、新しい素材使いにチャレンジしたいと思っています。
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