hiro kawabata/ chiho kawabata

jewelry design
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目的を持った引き算のデザイン

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     h/c. kawabata (ヒロカワバタ/チホカワバタ)

    前回書いた新作ですが、まだまだ、お見せ出来るところまで出来上がっておりません…。
    そこで、今回はこの秋のチホカワバタのコレクションをご紹介したいと思います。

    彫刻的な造形を得意とするヒロカワバタに比べ、女性目線で等身大のジュエリーを提案している彼女のコレクションは全体的にシンプルなものが多いと思います。

     

    そのため、一見するとシンプルデザイン=簡素な物と思われがちです。

    ですが、そこにはあえて装飾を引き算した結果…それがシンプルと呼ばれる物になっている場合の物がほとんどです。

     

    せっかくなのでこの機会に、その引き算のデザインについてのお話しも、合わせてしたいと思います。

     

    今回のこのパールコレクションの始まりは、最近、ポピュラーになってきたパールピアスキャッチの存在がきっかけでした。

    このキャッチを使うことでパールだけでも新鮮なイメージが出せそうだと考え、まずは、このキャッチを生かした、シンプルなピアスをデザインすることから始めようと話し合いました。

    (上が6ミリ、下が8ミリの淡水パールをチョイスしました。上のパールがキャッチですので耳たぶの後ろからセットするスタイルです。ひと回り小さなパールをチョイスしたサイズ違いもそろえました。)

     

    このコレクションのテーマはリズムです。

    簡単に言うと、出来るだけ装飾を取り除き、パールのサイズの違いだけで、リズミカルに見せる…です。

    ただ、シンプルでもこのピアスを付けた方をモダンに演出していなければいけません。そのためには、何ミリのパールをどれくらいの曲線と距離で配置するのか、など、単純な構成だからこそ詰めないといけないディティールが存在します。

     

    このテーマが、さらに視覚的に解りやすいのがこのリングです。

     

    サイズの違うパールを止めたリングを複数重ね付けしていますが、ここでも、デザインしているのは、大小さまざまなパールが生み出すリズムのみです。それ以外の雑音はあえて排除しました。

    もちろん、こちらも、大小さまざまなリングをどの順番で重ねるのかなど、そのリズムをどう打ち鳴らすのか…といった事を計算しています。

    以前、モダンアートコレクションの時にも書きましたが、デザイナーにとって、あえてデザインをしないと言うのは実は、勇気がいるものなのです。

    (おおよそ6ミリの淡水パール単体リングです。本当にシンプルです…)

     

    でも、そこに目的があるのであれば、あえて装飾を引き算すると言う行為はとても大切なことだと考えています。(見た目があまりにも単純でも…です。)

     

    その目的とは…。

    ジュエリーを付ける方の空気感を良くしたい。 それが私達の目的です。

     

    その空気感は必ずしも個性的なジュエリーだけでは表せない場合があると思っています。

     

    その時に選んだ素材や、時代に合わせて、コレクション全体を見渡した時にも、引き算のミニマムデザインはその方のために、必ず必要だと思っています。

     

    その日の予定や、気持ちを反映させたジュエリーが、その方の空気感をより良い方向に変える事…それが目的です。ジュエリーデザインをする時は、いつもこの目的を何よりも一番に考えているつもりです。

     

     

     

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